5nmのA14、効率重視で長期採用されたA15、Pro専用化が始まったA16、そして業界初の3nmプロセスを採用したA17 Proまで。最新世代では微細化と機械学習処理の強化が同時に進み、生成AI時代に向けた基盤づくりが進んでいます。

A14 5nmプロセスへ

2020年のiPhone 12シリーズに搭載されたA14 Bionicは、業界初の5nmプロセスで製造されたチップとして登場しました。トランジスタ数が約118億個に達するなど、回路規模も大きく拡大し、ProRAW撮影やDolby Vision動画記録など、プロ向けに近い機能をサポートする基盤となりました。

A15 効率重視の進化

2021年のiPhone 13シリーズおよびiPhone SE(第3世代)に搭載されたA15 Bionicは、前世代A14からの大幅な刷新というより、効率と完成度を高めた世代として評価されています。CPU・GPU・ニューラルエンジンの各要素がそれぞれ着実に強化され、特にゲームやビデオ処理での実用性能の高さが際立ちました。

A15は複数のiPhoneモデルに長く採用されたチップでもあり、中古市場でも人気が高い世代です。長期間にわたって最新OSをサポートしやすい設計といわれており、コストパフォーマンスを重視する方にとっても注目しやすい世代でしょう。

A16 Pro専用化の始まり

2022年のiPhone 14 Pro/Pro Maxに搭載されたA16 Bionicからは、Proモデルとそれ以外でチップ世代を分ける戦略が始まりました。A16では4nmプロセスを採用し、メモリ帯域の強化やディスプレイエンジンの進化など、Proモデルの常時表示ディスプレイなど新機能を支える役割を担っています。

A17 Pro 3nm時代

2023年のiPhone 15 Pro/Pro Maxに搭載されたA17 Proは、業界に先駆けて3nmプロセスを採用し、ハードウェアアクセラレーション対応のレイトレーシング(光の挙動を計算する高度なグラフィックス処理)を取り入れた点が大きな特徴です。コンソールゲーム機に近い表現力をiPhone上で実現しつつあるといえる世代でしょう。

Aシリーズが示す方向性

A4から最新世代まで、Aシリーズチップは「性能向上」「省電力化」「機械学習処理の強化」という3つの軸で進化を続けてきました。とくに近年は、生成AI時代を見据えたオンデバイス処理の強化が重視されており、今後もこの方向性は続くと見込まれます。

また、高性能化が進む一方で、長期間使い続けるユーザーが増えている点も近年のiPhone市場の特徴です。そのため、バッテリー交換や画面修理など、メンテナンス需要も年々高まっています。実際、以前旅行で札幌を訪れた際にも、駅周辺には札幌のiPhone修理に対応した店舗が複数あり、最新機種から旧モデルまで幅広くサポートされている印象を受けました。

まとめ

Aシリーズチップの歴史を振り返ると、iPhoneという製品の体験を支え続けてきたのは、ディスプレイやデザインだけでなく、世代ごとに進化を重ねてきたチップそのものであることがよくわかります。次に登場する世代がどのような新しい体験をもたらすのか、引き続き注目していきたいテーマといえるでしょう。